Category 1_3. 記憶装置 〜ハードディスク構造〜

記憶装置が2種類に分けられ、それぞれの違い、用途も分かった

でも具体的にどうやってデータを覚えているのか、そこが分からない・・・

そんなお話

10杯目か・・・俺達一体この店にどれだけのお金を払ったんだろうな・・・。
それは考えないほうがいいっすよ・・・。オイラもバイトを必死こいてやらないと払えなくなってしまいそうっす。

まぁまぁ、細かいことは良いじゃないですか、へらへら

それより続きをお話しますよ、続きを。

 

別に細かくはないと思うがな・・・。
なんか、マスターが飲んでいる分まで払っている気がするっす。

えー、記憶媒体でしたね。

そもそも記憶媒体というのは・・・

 

おい、ごまかしたぞ、ひでぇ。
マスターもお金に困ってるんすねー・・・。
では、ヒゲ先輩。貴方の知っている記憶媒体をあげてみてください。

記憶媒体と記憶装置

記憶媒体・・・「情報を記憶しておくもの」だったな。

CDとかDVDとかだろ、後はカセットテープか。

昔はフロッピーディスクなんてぇのもあったな。

後は最近はやりのブルーレイディスクっすよ!
そうですね、良いでしょう。ほかにもMOやら、MDやら細かいものもありますが、忘れならないものはハードディスクでしょうかね。

 

ハードディスクな・・・あれって記憶装置じゃないのか?
あ、そういえばそうっすね。ん・・・?あれ、でもハードディスクに何かメディアを差し込んだ覚えなんかないっすよ?

そうですね、ハードディスクは記憶装置に位置づけられますね。ですが内部に金属製(またはガラス体)の円盤(ディスク)が入っています。

なので記憶媒体と装置が一体化しているようなものですね。

 

あー、なるほど。そういうことか。

マスター、メモリっていうのも記憶装置っすよね?

媒体は何になるんすか?

メモリの定義があいまいですが・・・多分貴方の言うメモリはメインメモリに使われるRAMの事でしょうかね。

RAMメモリはチップと呼ばれるものです。

 

チップって、あのよく分からない電子部品が沢山詰まってる奴か。
ははー、そういえばゼミでメモリっぽいのを見たことがあるっす。緑色の板に沢山部品がついてたっすね。

そうですね、メモリは電子を利用しているので電子を取り込んでおくコンデンサといった電子部品が沢山詰まっています。

それに比べてカセットテープやらハードディスクなんていうのは磁気性質を使って情報を記録しています。


ハードディスクの構造と仕組み
以前言ってた磁石の「S極」やら「N極」ってやつで0と1を覚えてるって事だよな。
オイラもかすかに覚えてるっすよ・・・かすかに。

そうですね、ではハードディスクの仕組みを見てみましょうか。

[pic_cat1_3_1 ハードディスク構造]

アクセスアーム」がディスク面を走査し、その先端に取り付けられた「磁気ヘッド」が実際の読み書きをしています。

 

モーターとか付いてるのか・・・俺はてっきり電子部品の塊かと思ったぜ。
実際中身の構造までは見たことなかったっすねー。それにしてもクラシックレコードみたいのに似てるんすね。

クラシックレコード、確かにそうかもしれませんね。

どのように円盤状にデータを記録しているのかといいますと、こちらの図を見てください。

[pic_cat1_3_2 水平磁気記録]

コイルから発生した磁力が磁界を作り、プラッタ面に流れ込みます。

この様に磁気ヘッドがプラッタ(ディスク面)に水平に磁気化して情報を埋め込んでいるんですね。

 

まぁ、つまりはS極とN極で0と1を埋め込んでいるってことだな。
しかし、10ナノメートルって・・・なんすか?

1mmの10万分の1ですね。はっきり言って煙粒子すら入り込めないです。

目でみるとディスク面とヘッドは密着しているように見えますが、浮いてます。

 

煙粒子って・・・ハードディスクってそんなに精密なのか?
どっひゃーーーー!!

ハードディスクの敵は衝撃や埃ですね。物理的な故障が起こりやすい機器でもあります。

そのため、ハードディスクはかなり頑丈にケースが作られていて、防塵防水機構になってます。特殊なドライバーでないと開けることは出来ませんよ。

短時間なら水没させても内部に水が入り込みません。

ただ、衝撃だけは・・・気をつけましょう。

 

あかん・・・ハードディスクを棚卸しするときは緊張しちまうかもしれねぇ・・・。
ははぁ、そういやハードディスクって今じゃ「1テラ」とか莫大なデータを保存してるんすよね?そんなに出来るんすか?

おや、詳しいですねM君。「テラ」という単位に難色を示しているヒゲ先輩がいますが、単位については「補講」でお勉強しましょうかね。

このプラッタは両面使用されます。しかもディスクは1枚ではなく数枚あるので、枚数分*2を記憶領域として設けることが出来るんですね。

ですが、これだけの記憶領域を設けていてもやはり限界が来ます。

プラッタを増やすにしてもハードディスクその物の大きさを規定内に収めなければいけない制約があるので、いろいろと試行錯誤されているんですね。

では、久々の問題と行きましょうか。

Q.今までの情報を元に、どうしたらもっとハードディスク容量を増やすことが出来るでしょうか?


水平記録方式と垂直記録方式
そりゃ、規定内の制約っちゅーのをとっぱらっちゃえばいいじゃねぇか。規定とかってぇのは破るためにあるもんだって習ったぞ。
あっしは、ギブアップっす・・・

お二人とも・・・なかなか想定内の答えを出しますね。うれしい限りです、でもそんな危険な事私は教えていませんからね・・・ヒゲ先輩。

規定を破りディスクを大きく、沢山搭載すればそれは確かに大容量が増加しますが、互換性がなくなりますね。これは、非常に厄介な問題を生みますし、何しろコストも高くなり、あまりメリットがありません。

もっと[pic_cat1_3_2 水平磁気記録]を見てください。ここがポイントです。なぜわざわざ「水平」なんてつけたのか・・・。

 

水平の反対は、垂直か・・・。
垂直?縦に?

そうですね、「水平記録方式」は磁化されている方向、つまり「S極」と「N極」の位置関係で0と1を識別していました。

ただその場合、どうしても「記憶セル(磁気を埋め込む一コマ一コマ)」が広くなってしまい、記憶領域を逼迫してしまいます。

その為、磁化する方向を垂直にし、記憶セルを小さくすればそれだけ記憶領域に沢山記憶セルを設置する事が出来るようになりますね。

こうした記録方式を「垂直記録方式」といいます。

 

なるほど、記憶セルを小さくすればハードディスクの大きさを変えなくても容量は増えるって事か。
単純に記憶セルが半分になればそれだけ容量が2倍になるっすもんね。

そうですね。

記憶媒体は、いかに一つ一つのビットを細かい要素で覚えられるかによって、大きさが随分と変わってきます。

特別な知識がなくても何かアイデアがあれば、それを活用して記憶媒体として利用できるのですがね・・・。いまやそうしたアイデアだけでも十分生きていける時代ですので。

簡単に言えば、1ビットを最小の粒で覚える事が出来ればものすごくいいのですが・・・。

 

1ビット・・・よくわからねぇが一番小さい単位ってことだろうことはなんとなく把握した・・・。

あ、オイラいいアイデア生まれちゃったもんね!

原子とか使っちゃえば最強じゃないっすか!!

原子はもうすでに使われています。まだ実験段階ですが。

原子より小さいものはありませんからね。ですがそこまで小さいものになると、物理学ではなく量子力学になり貴方達の知識は当然、常識までも通用しないので、手を出さない方が無難です。


ハードディスクのアクセス速度
常識までもって・・・言い過ぎだろ。
まるでオイラ達に常識がないみたいじゃないっすか!

うるさい黙れ。

細かいことは別の機会にして、話を戻しましょう。

記憶媒体の課題の一つに、先程あげた「容量増加」をあげましたが、まだ沢山あります。

当然「コスト」というのもありますが、もう一つ「アクセス速度」というのがあります。

ハードディスクは、モーターやアームといったカラクリ部分がある「駆動系記憶装置」に当たります。

駆動系はアクセス速度がものすごく遅いのが問題です。

 

モーターが回って、アームが動く・・・確かに遅そうだな。

よくパソコンでカリカリ動いているのはハードディスクの音っすよね?めっちゃがんばってる感じがするっすけど、遅いんすよねー。

(うるさい黙れ・・・・?)

では、また問題です。

Q.どうしたらアクセス速度を早くする事が出来ると思いますか?

 

モーターの回転速度を速める。
ディスクを小さくする。

ぉ、二人とも今度は一発で答えましたね。

モーターの回転速度を速めるのが一番手っ取り早いですね。

ですが、M君。いいアイデアですね、確かにディスクを小さくしてアームの行動範囲を縮めてやればアクセス速度は速くなるでしょう。

でも、規定内に収める必要があるので、間違いです。しかし、「論理的にディスクを小さくする(パーティション分割)」という事をやれば、問題ないでしょう。これはOSの「ファイルシステム」に入ってから解説します。

 

あのよ、なんとなくで答えてあたったからいいけどよ、そもそもアクセス速度の「アクセス」ってぇのがいまいちよく分からないんだが。

ぱーてぃしょん・・・?聞いたことがあるようなないような。

アクセスっていうのは、きっとあれっすよ。磁気ヘッドが情報を感知するって事じゃないっすか?

M君ほしいですね、あと一歩です。

ハードディスクのアクセス速度は計算式で求めることが出来ます。

アクセス速度というのは、「データの処理要求が発生してから、読み込み又は書き込みが終了するまでの時間」という事になります。

 

終了するまで・・・か。
終了するまでが、アクセス時間です!

遠足ギャグか何かですか、それ?

 

どうも、くだらないモードになってきたから、休憩するか・・・。生中だ!おやじ、なまちゅう!
じゃあ、オイラはウォッカとニックを!
では、私は「スピリタスウォッカ」を・・・。

 

おやじ、死ぬなよ・・・?
オイラ達が殺される方じゃないっすか・・・?
っと・・・忘れるところでした、本日のお会計は5850円になります。

 

毎回思うけど、その会計はどんな計算なんだよ・・・。
意味が無いようで、有りそうっすね・・・、ハードディスクの構造はわかっても、マスターの頭の構造はさっぱりっす。
へらへら〜

 

今日のポイント

 ・ハードディスクは大きく分けて「プラッタ(ディスク)」、「アーム」、「磁気ヘッド」、「モーター」で出来ている

 ・磁化方向を垂直にする「垂直記録方式」にすると、記憶セルが小さくなり記憶容量を増やすことが出来る

 ・ハードディスクは精密に出来ている為、慎重に取り扱うべし

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