Category 2_2. OS基礎 〜パソコンとPC/AT機〜

「進歩は彗星の如し

派生は毛細血管の如し

そしてバグは慣例の如し・・・」

〜 クプ・ド・ンドブヴァ 〜

マスターよ、前回のOSの位置づけについてはよく分かったんだがよ、一つ疑問が出てきたんだが・・・。

ん?疑問って赤ちゃんはどこから生まれてくるかとかっすか?

私はM君の存在に疑問を感じます。

はて、疑問とはなんでしょう?

 

OSってぇのはハードウェアの違いを吸収してアプリケーションに統一された機能を提供するってぇんだろ?

つまり、「同じOS上」であればそのOSに対応したアプリケーションなら何でも動くと・・・。

そこのどこが疑問なんすか?

そうですね。

アプリケーション開発者はハードウェアの具体的な仕様を意識せず、OSに用意された機能を使ってアプリケーションを開発できるって事とかもメリットとしてありますね。

 

なんでハードウェアが違うのに同じOSが動くんだよ。OSだってアプリケーションと同じソフトウェアじゃねぇか。

ぁ・・・それもそうっすね。仕様の異なるメーカーによってOSも変えないといけないとなると面倒っすよね・・っていうか本末転倒な感じもするっす。

別に本末転倒ではないですよ。前回も言った様にOSの役割は上位層に機能を提供するだけではなく、ユーザにインタフェースを提供するという機能(広義では)もありますし。

ですが、お二人の言いたいことも分かります。

そうですね・・・ハードウェアの仕様というのは、大きく分けて二つに分類されると思ってください。


ハードウェアの仕様

仕様の意味が二つに分類される・・・?

ハードウェアはハードウェアっすよねー、どんな仕様の違いがあるんすか。

コンピュータは核である「CPU」と、それを取り巻き「周辺装置」がありますね。

この違いだと思ってください。

結果的に言いますと、OSの動作は「CPUの仕様(アーキテクチャ)」に依存すると思ってください。

 

うん・・・?ということはCPUのアーキテクチャが同じなら、メーカーが違うコンピュータでも同じOSが動くっていうのか?

その言い方だと、周辺装置が異なっても問題無いように聞こえるんすけど・・・。

CPUアーキテクチャが同じであれば、理論上動作させることは出来ると思います。

周辺装置の違いについては、それぞれ周辺装置を制御する為のプログラムをOSに「インストール」してあげる必要があります。


デバイスドライバ

インストール・・・?

ヒゲ先輩、インストールもしらないんすか!?

インストールとは、コンピュータに「プログラム(命令語)」を「取り込む」事ですよ。

つまり、すべての周辺装置の取り扱い方なるプログラムをOSに教えてあげるんです。

このプログラムを「デバイスドライバ」といいます。

 

ははぁ、周辺装置(デバイス)の運転手(ドライバ)って事か、なるほどなぁ。

そういえば、昔よく外付けCDドライブとかマウスとか使うときは付属のフロッピーディスクからドライバっていうのをインストールしてた記憶があるっすねー。

そうですね、最近のOSにはよく使用するであろうドライバが予め用意されているので、ドライバのインストール作業を自動的にやってくれますね。

今のOSの半分以上のデータはこのドライバデータといわれるくらいですから・・・相当ありますね。

ただ、メーカー独自の仕様を持ったデバイスなどは、やはり付属のメディアなどから自分でインストールする必要がありますよ。

 

でもよ、なんで周辺装置だけはドライバで扱う事が出来て、CPUはドライバみたいなのがないんだ?

CPUの応じてドライバをOSにインストールしてあげればどのCPUでも同じOSが!?

ドライバのインストール作業はCPUによって行われているんですよ・・・?

CPUの使い方が分からないのにどうやってCPUでドライバを入れるんですか・・・。

 

だ、だよな・・・。

ぐぅ・・・その呆れ顔で言うの勘弁してほしいっす。

昔は、このドライバもBIOSプログラムの一部としてあったんですが、ハードウェアの拡張のたびにBIOSアップデート(ROM内にある)をするのが面倒なので、最近はOSが「ローダブルモジュール」という形で提供するようになりました。

ローダブルモジュールというのは、必要なときにインストールして、必要でなくなった時はアンインストール(削除)する部品(ここではドライバ)の事を指します。


CPUとOS

ははぁ、日々進歩してるんだなぁ。

という事はっすよ、マスター。

やっぱりCPUアーキテクチャの違いによってOSは違うって事なんすよね?

という事になりますね。CPUアーキテクチャも沢山ありますが、それらCPUに応じて対応するOSも沢山あります。

ですが、大抵はCPUを開発した会社がそれに対応したOSを自社で提供している事が多いのでは無いでしょうか。

CPUのアーキテクチャは企業秘密として扱うので他者が対応したOSを作れるわけもありませんしね。

 

でもよ、家電屋さんにいくといろんなメーカーのパソコンがあるが全部同じOSだぞ?

殆どウィンドウズしかないっすよねー。

あれらコンピュータを開発しているメーカーは違いますが、すべて同じCPUアーキテクチャを使っています。


インテルアーキテクチャとPC/AT互換機

え!?おかしくねぇか?違うメーカーなのにCPUアーキテクチャが一緒って?さっきCPUアーキテクチャは企業秘密だって言ってたじゃねぇか!?

出たっすね!マスターのうそつきが!

中には例外もあるんですよ・・・。

特に現在殆どパソコンのスタンダードとして存在する「インテルアーキテクチャ(IA)」に関しては、これはもう例外中の例外です。

 

インテル・・・?なんか聞いたことあるな。

インテル はいってる!? のインテル?

そのインテルです。CPUを開発しているインテルです。

1970年後半から1980年代にかけて沢山のコンピュータが世に出ていた頃に、IBMが開発したパーソナルコンピュータ「PC/AT機」(または初代はIBM PC)というコンピュータがありました。

PC/ATにはIntel製の「IA CPU(Intel 8088 4.77MHz) 」と、マイクロソフト社と共同開発した「PC DOS(Disc Operating System)」というWindowsの前身ともなるOSが使われていたのです。

 

歴史を語りだしたぞ、おやじ。

MS/DOSって聞いたことあるっす。DOSコマンドとかっていうのを確か・・・全然意味わからないっすけど。

IBMはそのコンピュータの仕様をオープンにしたのです。

当時コンピュータというのは個人で使用するというより、仕事で使用する「ワークステーション」や「ホストコンピュータ」がまだまだ主流でしたが、こうした個人使用を目的としたコンピュータとOSは珍しいのです。

 

オープンって、それはまた随分と思い切ったな。

いいんすかねぇ、企業秘密でもある仕様をオープンなんかしちゃって。

オープンにした事で結果的にですね、IT社会の発展にもつながって、技術、ハードウェア、ソフトウェアという各部門の発破にもなったわけです。

一般家庭にもコンピュータという新しい家電をももたらし経済効果はかなり上がったのではないでしょうか。

各社はそのPC/AT機を真似てIntel製のCPU、マイクロソフト製のOSを扱うようになり、現在に至ってます。

PC/AT機の仕様を真似たコンピュータは「PC/AT互換機」と言い、現在では8割から9割以上のパソコンがこのPC/AT互換機とも言われております。また、搭載されるOSもマイクロソフトの「Windows」が中心になります。

 

だからどのパソコンも殆どがWindowsなんだな。俺らにとってはパソコン変えても操作は一緒だし、使用できるアプリケーションも変わらないからメリットが非常にあるな。

確かにパソコンによってこのアプリが使えないとかあると、お金かかりそうっすね。

確かにユーザ側にとってのメリットもありますし、メーカー側のメリットも十分にあります。

パソコンの「デファクトスタンダード(業界標準)」となると、ハードウェアの製造も量産化が出来て低コストで可能ですし、ノウハウも沢山蓄積されていきますからね。

いい事尽くめで、こう考えるとやはりIBMは偉大な企業だっていうのが分かります。


様々なOS

他にもCPUのアーキテクチャがあって、それぞれのOSってぇのもあるんだろ?

俺よ、WindowsしかOSしらねぇんだよ。

OS・・・他に何かあったっすかね。

一般向けですと、アップル社のPowerPC(PPC)アーキテクチャを搭載した「Macコンピュータ」でしょうか。

最近ではMacコンピュータもインテルアーキテクチャを搭載していますがね。

多分一般向けOSといったらこの二つ位じゃないでしょうかね・・・。

 

なんだ、それくらいか。よかった・・・おやじの事だからまたバカスカOSを出してくるかと思ったぜ・・・。

ハハハ、なんか楽勝っすね!

え?まだ沢山ありますよ。

今のは「一般向け」なのでエンジニアを目指す貴方達には「サーバ向けOS等」まだまだ沢山覚えてもらわないといけないOSが沢山あります。

LinuxやらSolarisやらBSD、HP-UXやらAIXやら・・・。

 

・・・。

やべ・・・ちと頭痛と腹痛が痛くなってきたっす・・・。

頭痛が痛いて・・・。

これらOSについてはまた、違う機会でみーっちりお話をしますよ。

今回のOSでは、それらに共通したカーネル部分の役割についてお話をしたいと思いますので。

基本的な部分はほぼ一緒です、そこの理屈を理解するだけでも今後の成長が全然違います。

 

そうか・・・助かったぜ。

夜も更けてきたっすから、今日はこれまでにしときましょー。

本日もありがとうございます。図やらが無くてお疲れになったでしょう・・・気をつけます。

本日は5250円になります。

 

今日のポイント

 ・OSはCPUの仕様に依存している

 ・OSが周辺装置を扱うにはドライバのインストールが必要になる

 ・現在のパソコンはインテルアーキテクチャ(AI)であるPC/AT互換機が主流である

 ・マイクロソフト社のWindowsシリーズはすべて、PC/AT互換機で動作する

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